presented by TECHNO CREATE
HOME > コラム > 「ごきぶり日記」 > No.014 格言と諺談義  
No.014

格言と諺談義

96/11/19
印刷
文字サイズ
[大][中][小]

dさんが後輩相手に話し込んでいる。話は川柳から格言と諺(ことわざ)に変わっている。「ひとりよがりの川柳」でも断ったように、dさんはこの道も専門家では無いはずだ。だから出典をお知りになりたい方はご自分でどうぞ。
格言も諺も殆どが中国伝来の物だそうだが、聞いているとなかなか奥深いものだと我が輩ですら感じる。

* * * 「換骨奪胎」(かんこつだったい)という言葉を聞いたことがあるかな。 広辞苑によると、骨を変えはらわたを取って使う意----詩文を作るのに古人の作の意義を模して語句を変え、または組立を変えて着想を新たにした様に見せかけること。とある。
他の本では「北宋(中国)を代表する詩人の一人であった黄庭堅について、多くの古典に精通し、博識であった彼がその古典を基として独自の作品の世界を作り出したことから、その独自の手法を道家の用語を借りて表現したもの」ともある。

「見せかける」のと「独自の手法」では全く受け取り方が違うが、何はともあれ、「骨を取り換えて、はらわたを抜いて」しまうんだから、ここは、見かけは去る立派な人、または立派な思想とそっくりだが、中身は似て非なるもの。と理解したほうが良いね。広辞苑に従うことにしよう。

昔から日本は欧米の発想と技術を真似して、それよりも良いものを作ることを得意として来ましたよね。これも「換骨奪胎」ですかね。

昔は「安かろう、悪かろう」というのが日本製品の代名詞だった時代があった。
元の独創性を頂いて、形はそっくりさんだが、それより悪い製品ならこの言葉が当てはまるね。でも元より優れていればまた別だ。

ある大企業の経営者が、社員の訓辞で「換骨奪胎で頑張ろう」とやっていましたが。

前にも話した様に、余り良い意味に使われていないから使わない方が無難だと思う。
それよりも、そんなときに良い格言がある。「乾坤一擲」(けんこんいってき)という言葉だ。これはまた広辞苑によれば、「運命を賭してのるか、そるかの勝負をすること」となっている。乾(けん)と坤(こん)は易の卦(占い)で天と地、または陰と陽ということだそうだ。一擲(いってき)は読んで字の如く、一度にすべてをなげうつことだから、要は平たく云えば、「ふんどしを締め直して一丁やるか」となる。余り上品な言葉で無かったかな?

乾坤一擲か、なかなか良い言葉ですよ。これなら社員に活を入れるには、ふさわしい言葉ですね。
でも格言も良いが、漢字が難しい。最近は漢字が読めない、書けない、ですからねえ。

そうそう、最近こんな話があったっけ。事務所の住所が東京都多摩市乞田に変わった。そこであるところにある社員が住所の変更連絡を電話でしたんだが、相手が乞田(こった)の字がどうにも分からない。
乞食の「乞」というと、乞食って?と言うし、もの乞いもだめ、雨乞いと云ったら益々混乱し出した。終いには「ノを書いて、棒引いて、乙」になったが結局は物別れだったようだ。

そんなに分からなければワープロを叩けば良いのに。
うん、ワープロで思い出した。ある社員が私の原稿に読めない字がある。
間違っているのでは無いかと云うんだ。よく見ると「五月蠅い」と書いてあった。「五月の蠅はうるさいんだよ」といったが、よく考えるといまや社会環境が変化し、蠅も少なくなった。あるいは暖房が完備し、一年中蠅がいたりする。蠅の最も活発な繁殖期が5月という実感も無くなったのかも知れないね。
でも、「うるさい」と書いて変換すると先ず、「五月蠅い」と出るんだがね。

漢字は確かに難しいけど、面白いですね。

話が脱線してしまった。何の話だっけ? そうそう「換骨奪胎」だったね。
* * * 話はまだまだ続いている。格言、諺は中国の歴史と一体だそうだ。 どなたか造詣の深い方は居られませんか。そして先ずは我が輩に教えて下さい。我が輩もdさんの話に加わって知ったかぶりをしたいのでね。

ごきぶり日記

投稿「私にも一言」

ページTOPへ