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No.019

日本は消える?

97/01/06
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<ゴキブリ独白>
今日は元旦の日経新聞の記事を囲んで話している。
「日本が消える」? ぎょっとするような話だが、廻りは誰も騒いでいる様子はない。人間は危機管理が出来ていないから身の危険を予知出来ないのかな?
* * *
日本経済新聞の一面トップに、恐ろしい記事が載っていますよ。
「次世代へ 2020年からの警鐘」として、始めの見出しが「日本は消える」とセンセーショナルに出ていますよ。
ロンドンやニューヨークの金融市場で「一部の大手邦銀の倒産」を前提にした取引が増え始めたとか、上海市の国際企業家顧問会議のトップ10に日本企業の名が消えた、とかその他にも米政府筋の内部資料で日本について「衰退の道を歩む可能性がある」とか、びっくりしますね。日本はどうなってしまうのでしょうか。
出生率が現状の1.4%前後で推移すれば、という前提はついているものの、2020年には総人口が減って、4人に1人は65歳以上となり、世界最高齢の国になるとも書いてありますよ。

* * *
日本中がバブルに浮かれ、世の中は変わる物だということを忘れ、官民一体になって金儲けの亡者のように利権を漁り、政治家は自分の利権と票のために政争を繰り返し、企業も金儲けに手段を選ばない。
何だか、犬飼 毅首相の暗殺された、五.一五事件当時の歴史を読んで居るような気がする。財閥と政党の腐敗が軍部独裁を招き、政党政治が終わったあの話だよ。

* * *
ところで、この記事に「19世紀末の英国に類似」とありますね。その頃、イギリスはどうだったんですか?

* * *
イギリスが最も繁栄したのはハノーバー朝(1717~1901)の頃だよ。
イギリス王室に跡継ぎが居なかったのか、ドイツのハノーバー家から迎えられたジョージ一世から始まり、ビクトリア女王まで200年弱の間という。
こんな話は高校時代の世界史で習っただろうけど、問題は何故、このあとイギリスが衰退したかということだ。

物の本によれば、
① この国の一般的な保守性。
② 海外投資からの利子、利潤に馴れた永年の寄生的生活。
③ 国内生産の合理化や近代化の遅れ。
④ イギリス経済に不相応な国防費や海外援助。
⑤ 労働力の一般的不足。
ということらしい。イギリスの場合は帝国主義と呼ばれた植民地政策で実入りが大きく、金には困らなかったということだ。国も国民も裕福な生活に馴れ切って、こんな暮らしが永遠に続くという錯覚に陥っていたのだね。

* * *
うーん、そう言われればよく似ていますよ。というよりどんぴしゃりの感じだ。①はそのままだし、②はバブルに置き換えると良く分かる。③と④は置いておいて、⑤はこの記事の「少子化」ですね。
ところで、欧米の日本に対する評価が急速に落ちたのは、規制緩和が進まないことが大きいようですね。「日本のリーダーの危機感の薄さこそ問題」とありますよ。

* * *
外から見ると、そう見えるのだろうね。危機感はあっても身動き出来ないのだと思うよ。官僚指導の歴史、山のようにある官の外郭団体、族議員、どっちを向いても抵抗ばかり、つまり四面楚歌なんだろう。だからこそ指導力を問われるのだがそう簡単ではない。根っこまで病根が広がっている。

歴史の流れを変えるため、政治についてももっと関心を持たなければならないが、我々の技術の世界にも同じようなことが云える。日本の絶頂期には「もはや欧米に学ぶものは無い」などと、うそぶいていた人がいた。
第二次世界大戦でアメリカの底力をなめて掛かり、大やけどをした訳だが、半世紀後にまた、「前車の轍」を踏むことになったとも云える。

* * *
新年早々、何とも救いようの無い話になって来ましたね。
我々の世代は暗闇に向かって進むと云うことですか?明治維新、第二次大戦の敗戦に次ぐ変革の時と聞きますが、でもいま、日本は連休に海外に遊びに行く人が過去最高だとか、デパートが盛況だとかで、そんな様子はありませんよね。

* * *
イギリスはビクトリア王朝が終わってから30年間衰退の道をたどり、それから70年掛けて復活したという。王朝の最後は1901年で今年は1997年だから96年ということかね。
つまり、栄耀栄華の夢は30年忘れられないということかも知れないねぇ。
でも、日本はいまなら間に合うということだよ。逆に、いまやらなければ、衰退の道を転がり落ちるということだが。
大丈夫、日本なら出来るよ。

* * *
<ゴキブリより一言>
日本が衰退してもゴキブリは生き残る。

ごきぶり日記

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