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No.031

持ち株会社

97/04/18
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持ち株会社制度が話題になっています。なんだか難しくてよくわから無いのですが、我々にはあまり関係ないことでしょうね。4月10日の新聞に、「公正取引委員会が金融機関の企業に対する株式保有を5%(保険は10%)までに制限している独禁法第11条を適用せず」とありましたが、どんなことが問題なのですか?

そうかな、案外身近な問題かもしれないよ。その昔、歌にまで唄われた三井、三菱、安田、住友、鴻池という大金持ちの5大財閥があった。
財閥というのは「著しく封建制をおびた家族あるいは同族の所有支配下に置かれた総合的事業体」ということで,独占資本、金融資本、またはコンツェルンとも呼ばれている。
コンツェルンというのは配下の企業を財閥家族(一族)が経営して、その株を全部、財閥本社に集中して支配するというものだそうだ。
だから財閥は、あり余る金を持っており、日本経済の発展に大きな役割を果たしたんだね。
でも金と力を持つようになると、どうしても時の権力と結びつく。いや、権力と結びつくことで財閥になっていったとも云えるね。

なるほど。それで「司令塔のもとで株式や融資の資金が動くのは危険」という意見が出るわけですね。それでは何故、5%の制限条項を外すのですか?

これからの国際化時代に対応する日本企業の競争力が問題になっているね。
そこで持ち株会社制度を復活させ企業の合従連衡をやりやすくしなければならない。元々5%制限は財閥解体の決め手だったのだから、外さなければ何のための持ち株制度かわからなくなることも確かだ。確かに持ち株会社制度は資金力やスケールの面で企業の競争力を強大にする。
だが一方では金融支配が起こりやすいから、昔の悪夢を呼び起こすことになる。さっきもいったように旧財閥は軍部と結びつき日本を暗黒の時代に導いた張本人と云われていたのだからね。

何故、財閥は解体したのですか?

それは勿論、占領政策だよ。強大なコンツェルンが残って、また日本の軍国主義が復活しては困るからね。特に占領軍は日本進駐以前に財閥の解体を決めていたというからよほど怖かったのだろう。戦後は一時、三井、三菱、住友、鴻池という名前と商標も使えなかったのだから。

国際競争力はつけたい、でも亡霊の復活は困る。ですか。金融機関は進めたいでしょうね。金融による企業支配はあり得ないと主張しているのはそのためですねやはり、我々には直接、関係ない話です。

そうはいかないよ。たとえ話として、今の会社の事業本部や事業部を全部、擬態経営の会社にする。本社にはトップと戦略スタッフだけで金を握る。その下の会社は、それぞれ経営権や人事権を持ち自己責任で経営する。業績が上がらなければ切って捨てられるかも知れない。もっと良い会社が有ればすげ替えられてしまう。そうなると必然的に終身雇用や年功序列もなくなる。企業全体がファミリーであった時代は終わり厳しいサバイバルの時代に入る。関係ないとは云えないんじゃないかね。

それは大変だ。だから「日本には馴染まない」という意見も出てくるのか。

欧米には企業ファミリーとか年功序列、終身雇用など無い。だから容赦ないm&aも起こる。その環境の競争形態が日本にそのまま持ち込まれるということだから、まさに日本には馴染まないよ。社会の構造も人の意識も習慣も全く違うところへ異文化をそのまま移植するなど考えられないからね。拒絶反応が大きい。

日本人はそう簡単に切ったり剥がしたり、またくっつけたりというドライな行動は苦手だからやはりファミリーで固まり、金融資本だけが肥大化して行くということも考えられるよ。
これからどうなって行くのか、よく見ていないとね。

関係ないどころではないと云うことですか。

* * * <ゴキブリ後記>
規制緩和が明治維新以来の変革をもたらすという。廃刀令に反発し、断髪令に抵抗した人たちも、やがては時代の波に飲み込まれて行く。それなら早いとこ変身した方が利口か。でも待てよ、日本的経営はそう簡単には変わらない。もう少し様子を見よう。とか、百家争鳴である。

ごきぶり日記

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