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No.037

巷の危機管理

97/06/16
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*日本は危機管理が無いとか、遅れているとか云われています。
「危機(crisis)」という言葉はギリシャ語の「ヘークリシス」が語源で判断、識別、決断という意味だそうですよ。
「客観的現実と主観的意識の両者を統一的に把握しなければならない」とありますが、難しくって、なんだかよくわからないな。

「危機とは歴史の転換期、過去との断絶を表す状況」というから、世の中がゆっくりと変化し人々の意識が違和感無く受け入れられるような連続的な移行は「危機」ではなくて「過渡期」と呼ぶ。
そうではなく、全面的に、根本的に、そして急激に変化が起こり、今までの価値観が断絶して、方向を見失い大きな不安に陥れられるのが「危機]なんだね 。

英語の「critical」では判断、識別、決断に更に批判的という意味も加わる。
つまり「危機」というのは人間の常識や理性をはるかに越えた事柄が突然に訪れる事象と云うことになる。

*「国家の危機管理」というのは要するにパニック対策ですね?

まあ、そうもいえるかな。もっと身近な問題で考えて見よう。君が泥棒に入られた、あるいは空き巣狙いと鉢合わせしてしまったとする。そんなときどうする?
何度も空き巣に入られた人は身近に木刀を置いているという話をよく聞く。その場面に直面したら戦うという気持ちの危機管理だね。それが良いかどうかは分からないが。

空き巣というのは一種の知能犯だ。下見をし一瞬の留守を狙う。その家の視覚の盲点を見つけ、そこに隠れながらゆっくり仕事をする。鉄格子の欄間を丹念に外し、そばに立てかけて置く、ガラス窓のコーナーを最小限に三角に割り、ドアの留め金を外す。電子錠なども簡単にあける。
それに対して対抗する側は、錠前はこういうものが良い、死角を作らない、2重ガラスがよい、空き巣は光と音に弱いから電気をつける、ラジオを鳴らすなど知恵比べだね。

*なんだか変な話になってきたなぁ。それが危機管理ですか?

ちょっと例えがおかしいかな?強盗に入られた場面ではどうだろう。
危機に直面することを前提に周到な計画をし、準備をする。先ず予防措置を取りその場面に直面した時にはどうするか考え、対処方針を立てるのだから、小さな危機管理ではないかな? 君が云ったように危機状況を即時認識し、的確な判断を下し、そして瞬時に決断し行動するには準備が必要だよ。

我が家は2度も空き巣に入られた経験を持っているので警備保障をかけてある。警備保障には緊急時の連絡先が優先順位ごとに何人も決まっている。そして近い人が押っ取り刀で駆けつけ、警備に協力する。といった危機管理だ。

確かに常識では考えられない突然の異常事態が発生し、普通の価値観が通用しない場面に出っくわした時どうするかということだから難しいね。
非常事態が発生したときは私も木刀派だが、我々の危機管理は先ず状況を想定して予防措置をどうたてるかじゃないかね。そうするとその後の対応も決まってくる。

最近はコンビニ強盗、パチンコ屋の現金強奪、若い女性の殺人と日本の安全神話は崩れているね。でもねぇ、日本は島国で同一民族、外国人は少ない、警察が優秀といった環境が長いから、事件が起きても自分の身に置き換えて真剣に考えない。昔から「人を見たら泥棒と思え」という言葉はあるのだが、依然として人ごとで自分は関係無いという風潮がある。

*嫌なことになって来ました。日本が急激にボーダレスの国際化に巻き込まれて行くのだから、身の回りの危険因子も欧米的になって来たという認識が必要だと云うことですか。自分の身は自分で守れということか。

国家の危機管理はそんなわけには行かないね。最近、大きな国際的な事件が起こる度に「日本だったらどうしようもない」とか「危機管理が全然なっていない」とかマスコミが騒ぐ、だが、「では、軍備の増強を!」などと短絡しないで欲しいものだ。こちらの問題は為政者の指導力なのだから。

* * * <ゴキブリ後記>
危機管理なら我が一族に任せてくれ。マニュアルこそ無いが、どんな状況下では人前に出ない、危機に遭遇したら瞬間、何処へ潜り込むのが最善かなどの判断と行動と決断は迷うことが無い。だから絶えることなく種族が繁栄しているのだから。でも人間社会も生きづらい世の中に変わっているようだ。何とか我々を見習って、しぶとく生きてくれ。

ごきぶり日記

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