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No.038

物忘れ

97/06/23
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<ゴキブリの前置き>
お馴染み、mさんの一人ごとである。
ボケと物忘れは全く違うのだそうである。だが、この話は念が入っている。
引っ越しで、すっかり整理をした机の中から、聖徳太子が、それも8枚も出てくるなんて。ということは、しまい忘れたのが10数年前という話になり、ただ忘れたというにはミステリーがかっている。偽札じゃないの?

* * * [聖徳太子]
一昨年10月、家を立て直すために仮住まいを余儀なくされ、
かりんの木で作った愛用の机の中身を綺麗に整理しました。
仮住まいの期間中は我が愛する机は、それこそ汚い倉庫の片隅で数ヶ月を過ごすことになったのです。

ようやく新築の家が完成し引っ越しが今年の3月28日、大安の日でした。
早いものでもう12月、今年も終わろうとしています。

15日の日曜日に何の気もなく机の引き出しをあけ、整理をしようとしたところ、数枚の紙の間から1万円札が覗いています。
「おや?こんな所へしまい忘れたか」と思い、さらに引っ掻き回したらなんと、次々と1万円札が続々と現れ、合計8枚になりました。

不思議なことがあるものです。恐らくこの話を聞いた人は、「ボケたんだろう、そんなときはよくあるよ」というに違いありませんね。小生もぞっとして念の為、偽札ではあるまいかと確かめましたよ。

何となく大きな札だな?と思いつつよく見ると、なんと聖徳太子ではありませんか!
聖徳太子が福沢諭吉にバトンタッチしてから、もう10数年になります。
いまでは銀行で交換して貰わないと使えないでしょう。

解体のため仮住まいに移る時は完全に空にしたことは間違いありません。
完成したのが3月末、つまり9ヶ月間のあいだの出来事なのです。
だから9つ付いている引き出しの中は未だそれ程、乱雑ではありませんでした。

人間には何とも説明の付かない、自分のミステリーがありますね。
でも、そんな時、何とか理屈を付けて自分を納得させ、その事を忘れようとします。
「8万円をなくして、目の色を変えて探し回り、ついに見つからないで心に長く悔いを残すより、思いもかない8万円が転がり込んだのだから良いではないか」と言われそうですが、確かに儲かった気がします。

暮れも迫って聖徳太子が飛び込んで来たのですからね。
金持ちでもないのに随分、鷹揚な話ですよね。
その8万円はどうしたって?
女房殿が銀行で換金してくるといって持って行ったきり、また行方が分からなくなりました。

次回は続編[泥棒殿へ]

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