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No.054

川柳、おんなごころ

97/10/06
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「おんな心を語る」なんて、おこがましいですね。
神が生物の繁殖のために構造も思考も感性も全く違う二つの性を作った時から、お互いの性の謎を解き明かそうとあらゆる試みがなされ、小説の尽きないネタになっているわけですから、そんな無駄なことはしません。でも不思議です。

      「花を愛(め)で 花に埋もれて 無上感」

女性は身のまわり1メートル四方に幸福を求めるといいます。
1メートルは極論でしょうが、美しくありたいと身を飾り、周りを花で埋め、買い物に生き甲斐を見つけ、家庭を守り、地域社会に抵抗なく溶け込む。みんな男の苦手とするところですね。
それに引き替え男というものは、そうした煩わしさから抜けて、遠くの方だけを見るのです。
神様はこうした相対的な性を作って置けばうまく行くと考え、我ながら名作と悦に入っていたのかも知れません。
      「物思い 夢見て醒めて 山の神」

ところが女性は変身します。
恥じらいの娘時代から母になり歳を経るに従って現実的になり、逞しい生き様を発揮しますね。本来、自己防衛本能が強く身辺が自分の居城なのですから、この生活観をベースに戦う力は男などおよびもつきません。やがては、

      「給料は あなたのものと 財布締め」 とコントロールされ、

      「リストラに もう一つ増えた 粗大ゴミ」

と云われるでしょう。
隣近所の女同士、嫁と姑の関係はこうした同じ性がぶつかり合うのですから、論理など無く日常の挙動、言動が原因の総てのようです。それでも大半の男性は諦め、馴らされ、

      「まな板に 刻みし皺の 古女房」

と円満にやって行き、次第に女房を頼って生きるようになります。
先日、ある雑誌で

      「綾取りの もつれたままで 妻と生き」(福岡 白井博行)

という句を見つけ、変な感銘を受けました。もつれたって絡んだって古女房は人性のかけがえの無い伴侶なのですね。私などは、

      「女房亡く 伸ばすに伸ばす 羽も無く」

になって仕舞うでしょう。だいじにしなくては。

ごきぶり日記

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