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No.074

雪とつき合う

98/01/20
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雪は、降り積もっている時よりも、あとの方が始末が悪い。
深々と降りそそぐ新雪は一面の銀世界を演出し、情緒があって、何とも詩的である。だが、降り止んだあとは仲々消えず、路面はいつまでもぐちゃぐちゃにぬかるみ、路肩の雪は黒ずんで醜悪な姿をさらす。

夕方になって気温が下がれば、道路はカチカチに凍り、転んで怪我をする人があとを立たないとテレビが放映している。
もう、うんざりなんだけれども、何とか知恵を働かせてこの自然とつき合わなければならない。とにかく早く消えて欲しい。

残雪は手を掛けてやるほど早く、おとなしく消え去る。氷塊に化した雪は少しぐらい気温が上がっても簡単には消えない。そこへ、絶えずスコップを入れ動かすことによって加速度的に水に帰る。
大雪から何日か経って未だに滑って転んで怪我をする人が絶えないのは、長靴を履きたがらない、または持っていない都会人の宿命のようだ。いや、長靴だって滑る。

雪国ではゴム長に数回、荒縄を巻いて歩く。まさに生活の知恵がら生まれた最も経済的かつ効果的な滑り止めである。この知恵を頂いて、靴に数回太めの紐を巻き付けるだけで転ぶことはなくなるだろう。
案外ファッショナブルな紐でも巻けば流行するかも知れない。

スコップは先の尖ったものよりも四角い方が良い。新しいうちによく暖めて万遍なく蝋を塗る。掬った雪を放り投げたつもりが、シャベルにまつわりついて離れないのは、情けないばかりか、数倍も労力を消耗する。

都会の若い女性は車を運転してもチェーンを巻いたことがない。昔ながらの鎖チェーンを、しっかり巻き付けるのは仲々難しく経験が必要だ。
プラスチック製のチェーンが少し高いが簡単だということで買ったところ、思わぬ落とし穴があり、一度使ったばかりで今は何処へ行ってしまったか行方が分からない。ある雪の降った日に慌ててそのチェーンを出したところ、寒さのため堅くなり丸まったまま、全く自由が効かないのである。いろいろ便利になっているが、このチェーンだけは一向に進歩しないようである。
タイヤのホイールを外し、チェーン受けをいつも装着しておいて、必要な時にワンタッチで装着出来る片持ちのチェーンがあった筈だが、それも見かけることがない。滅多にお目に掛からない大雪に知恵を絞るのも愚かも知れない。
消えるまで車に乗らなければ良いのだから。

その昔、東京とはいえ郊外は上水道が無く、井戸を掘り、電動ポンプで水を汲み上げていた。朝起きると井戸はカチンカチンに凍りついて、無理にモーターを動かすとヒュ-ズがとんでしまう。そこで、汲み置きの水を沸かしポンプに掛けるのが毎朝の仕事であった。だが凍り方は尋常でなく、いてつくような寒い朝の辛い作業であった。だが、あんな寒さはもう訪れない。
地球の温暖化と雪が降るのは関係が無いようである。

ごきぶり日記

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