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No.077

連鎖倒産

98/01/30
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ゼネコンが苦しんでいる。
バブル崩壊によって膨大な不良資産を抱え、景気の低迷や緊縮財政の煽りを受けて、いつ立ち上がれるか分からない途端の苦しみである。
大手はこれまで、赤字国債による膨大な公共投資と永年の談合体質で、利益をむさぼって来たと思われているから、栄枯盛衰は時の流れとして同情は少ないかも知れない。

だが、この業界は、数え切れない系列会社で成り立っている。一説によると56万社、680万人が倒産、失業の憂き目に遭っているという。
一つのゼネコンが倒産することによる連鎖倒産あるいは煽り倒産が、いま、悲惨な社会問題になっている。

いずれも仕事を貰うのに口約束だけで、契約など無いという。仕事が無くなっているから契約無しで仕事に入らざるを得ない。だが契約の無い悲しさ、親会社がおかしくなって来れば、その負債を背負ったまま倒産する。

まさに、自転車で道の端を一生懸命に走っているとき、暴走自動車の風の煽りを食らって転倒するようなものである。
「良いときは、それなりに恩恵に預かって来たのですから・・・・・」
と云う経営者の諦めの言葉が、泣いて悔やむ姿より痛々しい。

今をときめく、アメリカのある通信機メーカーの役員が来日し、話合った時のことである。話が系列や下請会社の話になり、彼は「その下請けというのは一体、何だ」と聞く。英語の辞書を引けば subcontractor であり、下請け企業とある。だが、一つの契約を正、副で契約する概念で考える限り、サブコンとしての契約など無く、運命共同体方式の日本的関係は理解出来ないに違いない。

その関係を噛んで含めるように説明すると「ふーん、始めて分かった。何とも興味ある話だ」といっていたことを思い出す。今や系列や下請けは英語化しているのだろうが。

運命共同体なら共に散るのが普通だが、此処に日本的浪花節が生きている。
浪花節的な人情ならアメリカにも無いではないが、「本音と建て前」がどうしても理解出来ない欧米人には、こうした連鎖倒産が、また日本の特殊性を理解するよすがになるのだろうか。

これからの競争社会の土俵は欧米流ビジネスなのだから、契約社会が進めばこんな悲惨な話は消えて無くなるのかも知れない。

ごきぶり日記

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