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No.306

リストラ黒字の危うさ

02/12/11
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2003年度の企業決算見込みが前期比70%以上増益見込みだという。
リストラによる利益である。売上は伸びないのだから、掛かる費用が減っただけであって特に景気が回復したわけではなさそうだ。

高額な退職金を上積みして人を減らしても利益が出るということは元々必要ない人間を抱えて給料を払ってきたから赤字になったということだろうか。
バブルで急激に受注、売上が減ったことはわかる。バブル崩壊は人為的なものではなく、経営者の予測不可能な天変地異だと思っているようである。

上り詰めれば必ず落ちる。そんな自然の原理がわからずに、とことん思い上がった経営者は“熊手で掻き集めるように”採用を行った。最盛期の採用行動は、まさに「これが人事か!」と思うようなお粗末なものであった。
「人が人を選別する」そんな重みも意識も持っていない、社会的経験も少ない者が駆り出されて採用面接をやっていた。人間の冒涜的行為だと思っている。

そういった経過で採用された人たちが、働き盛りになって、そこでバッサリとやられる。誰がこの罪を背負うべきなのか。人気の時事評論番組で「今の銀行も会社も一旦全部潰してしまってやり直す必要がある」と息巻いている。
過激だがまさにその通りで、バブルの始まり、あるいはそれ以前から行員、社員で、そのままずりあがって来た経営者には改革は出来ない。

人間は自分の歩いて来た道しか知らないし、その道を踏み外すことは出来ない。だから結局同じことを繰り返す。現在の有名なベンチャー企業の経営者はサラリーマン経験者はいないだろう。
だが、考えて見ると表向きな「首切り」など日本の企業社会には考えられなかったことで、大企業の経営者は社員第一主義を掲げ、暖かいファミリーの企業を標榜して来たのだから、それだけでも大転換と言えるのかも知れない。

グローバリゼーションの流れに乗って、欧米的な成果主義や実力主義を実施した大企業がおかしくなっているという。ややもすると評価が減点法に走り、やらない方が無難とばかりに社員のモラールが低下してしまったらしい。
技術力の低下はこの辺も原因していると指摘する社員もいる。

リストラで人件費、人件経費が浮き、売上が伸びないが利益が出たという現象は喜んでいられる事態ではないと思う。デフレの影響で受注難が続けば競争は益々熾烈になる。社員の力こそ闘う力なのだが、リストラは大きく体力を消耗する。通信業界など閑古鳥が鳴いているという。
さて、これからどうやって闘うのだろうか。

ごきぶり日記

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